音楽コラム <Vol.14> 寄稿:rookie1957@いまは横浜

Music&Live RUFFHOUSE

2021/09/30 12:19

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Thelonious Monkのソロピアノ「Smoke Gets in Your Eyes~煙が目にしみる」



これを初めて聞いた時の衝撃と感銘が忘れられない。
この粗削りというか、たどたどしさでもええんや。

こころ打たれるやん。

なんでやろーー。

なんでや!

でも、ええなぁ。


よし!俺は大人になったら美人のピアノの先生についてピアノ覚えるんじゃ!と、広島弁で決意した。

と言う事も記憶にあるが、まあ、いまだもって「習ってないやん。弾いてないやん」と自分ツッコミしてます。


余談ですが、何で「美人のピアノの先生に」かというと。

このあたりの時代に、はじめての「一人称・ぼく」を使ったむちゃくちゃ読みやすい平易な文体で、1969年に芥川賞を授賞した庄司薫の「赤ずきんちゃん気をつけて」の中に、そんな記述があったんですよ。

その美人のピアノ弾きのモデルは、中村紘子さんで。

なんと、庄司薫は小説家デビュー後、なんとなんと!ホントに中村紘子さんと結婚した!っす。

いやぁ・・。いい話だなぁ。



で、話はモンクのソロピアノ、私とジャズの話に。

ふるさと尾道から、広島市の中高一貫の男子校進んで寮生活をはじめて。その学校には「ジャズ研究会」があった。


フォーク、ロック、サイケデリックロック?、ブリティッシュロック、タジマハール、マディウォーターズ、エリックバートン、アルクーパー、チェッペリンのデビューを見て、クラプトンが「いとしのレイラ」でヒットを飛ばして「なんじゃこいつは。もうロックは聞かん」と、ジャズのアルバムを買いあさるようになって。


で、中3から高1にかけて3つのバンドを掛け持ちしていた私は、木造2階建ての部室や同好会の部室がある「ジャズ研究会」のドアを、ぎぎぎぎぃと開けて、入部した。


そこから、高1の頃から週のうち何回かはジャズ喫茶に入りびたるようになり、流川にあるかなり大人なムードの地下1階の「シルバー」というお店と、本通りという広島市のメインの商店街の裏通りにある「マツヤ?」だったか、そのお店に。


その後、そのマツヤでアルバイトをはじめて、自分で好きなレコードを回しながらコーヒーとかを運んでいた記憶がある。


たくさんのジャズに出会って、ちょうどコルトレーンが悩んで前衛に傾いて、マイルスもどんどん前衛で尖がって行って。深く聞き込んだけど難解すぎて、結局、私はモダンジャズの起源を遡るようにピバップ・ジャズに行き着いた。


パーカーの初期の頃から聞き込んで。ライナーノーツからどんどんと人脈、音楽ルーツや繋がりを知って行った中でモンクに遭遇した。


その中でも、このソロピアノのアルバムがいちばん好き。で、その中でも、煙が目にしみる。


「たどたどしくて粗削り」なサウンドに惹かれる、という感性?は、もしかしたらその30数年後にギター弾き語りを始めることになるrookieの演奏スタイルにも通じるトロコがあるのか?ないのか?おこがましいのか。

結局ヒトは変わらんなぁ~なのか。


2007年に50才を越えて音楽活動を始めたばかりの「初心者rookie」をヤジり倒して育ててくれて、その後「Scrap and Build Musicの創始者」と命名してくれた薄暗い地下の音楽バーのマスター、どうなんでしょうね?


では!また!

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