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音楽コラム<vol.58> 寄稿:つむじん
ブルーグラスの歴史と歩み(2)
ブルーグラスは、ヨーロッパから移民したスコットランド―アイルランド系白人たちがアメリカ南部山岳地帯のアパラチア山脈一帯に入植し、口伝てで伝承してきた音楽にルーツを見ることができます。アイリッシュと呼ばれるジャンルですね。「無印良品」の店内でかかっているBGM、というとより伝わるかもしれません。
フィドルが主に使用される楽器で、その伴奏に合わせて歌を歌ったり踊ったりしていたそうです。日本でいうところのアコースティックギターが、ヨーロッパでのフィドル(バイオリン)だった、というところでしょうか。それだけ生活に身近な楽器だったということですね。さらに、前回のコラムでも紹介したような、「オールドタイム」もルーツの一つと見ることができます。こちらはカントリー音楽の前身ともいわれています。
また、ブルーグラスは商業音楽を意図してその歴史が始まっています。そのため、コンサート等の生演奏でもマイクやピックアップを用いてスピーカーから大きな音を出し、より多くの聴衆に聞いてもらおうとするスタイルが当初から定番となっていました。ラジオやレコードも積極的に放送、販売され、より多くの人々のもとにブルーグラスが届くよう努力された結果、現在のYouTube上でも様々な当時の音源が聴けるわけです。
そういった側面があったことから、聴衆の要求にも敏感に反応するミュージシャンは多く、ブルーグラス誕生期からその時々に流行していた音楽の要素をブルーグラス風にアレンジして演奏するバンドもしばしばいたようです。
今回ご紹介したい曲は、ブルーグラスアレンジされた中でも特に有名で現在も演奏され続けている、ジョンデンバーの名曲「Take Me Home Country Roads」です。
「Russell Moore & IIIrd Tyme Out」バージョンでお聞きください。
私、大学時代に、アメリカのブルーグラスフェスに参戦した際に生でこの人たちを観たんですが、ドーンとライブが始まってバーンと5曲ぐらいぶっ続けで持ち曲を演奏した最後の締めに「Take Me Home Country Roads」を持ってくるもんですからもう一発で心奪われました。。。