音楽コラム<vol.68> 寄稿:Azumaya-San
僕も少しは勘が働くようになった・・・かな? by Azumaya-San
RUFFHOUSEに集う先輩方は、どうやってあんなに音楽に詳しくなったのだろう・・・いつも不思議だった。
僕だって高校生でYMO、大学でCASIOPEAを追いかけながら、かれこれ40年は音楽を聴いている。なのに、いまだに「超」が付く名盤でも聴いたことがないアルバムばかりだし、たかだか名盤100選あたりのガイド本さえコンプリードできていない。
そんな僕がラジオで音楽番組を作っているなんて「ちゃんちゃらおかしい」と思っているくらいだ。ところが、最近ようやく「僕も勘が働くようになった・・・かな?」と思える出来事があった。
今(2022年8月現在)話題の音楽映画「ELVIS」・・・音楽ファン・映画ファンから大絶賛である。曰く「プレスリーを通して、アメリカの音楽産業や人種問題の闇を見事に描きあげている」と。
実はまだ今日(8月4日)現在見られていないのだけれど、そのサントラ盤を手にするチャンスがあった。本物のプレスリーの音源もあれば現代のHIP HOP系のミュージシャンのカバーなどいろいろ混じっている・・・その中に「お?」と思う名前を発見した。
「Strange Things Are Happening Every Day / Yola」・・・聴いてみると、確かにこのド・迫力のソウルフルな歌声には聞き覚えがあった。
2か月ほど前に「アメリカのルーツ音楽」を掘り下げてみたときに、定番ばかりじゃ面白くないから・・・と、現代の若手によるルーツミュージックも混ぜてみた。その中でUK・ブリストル出身の黒人女性ヴォーカリストが気に入ってしまった。
名前はYola Carterといったが、なぜかこの人、いくつも通称を持っている。
本名はYolanda Claire Quarteyといい、略してYola Quartey、もっと略してYola Carter・・・ついにはYolaという名前でも活動していることをその時調べたのだった。
そのYolaという名前を思いがけず発見して急いでライナーを見ると「ブラック・キーズのダン・オーバックが見出し、彼のレーベルEasy Eye Soundからデビューしたヨラだ」とある。この段階でも確信が持てなかったから、インターネットでYola・Easy Eye Soundでクロス検索をかけると、確かにそのYolaだったことが確かめられた。
BINGO!である。まったく関係のないところで、予備知識もない中で一人のミュージシャンを結び付けるという「勘」がようやく働いたのだ!
こうして一つ、また一つ・・・とシナプスがつながっていくと、きっといつか「諸先輩方」のような広い知識と深い洞察で音楽を語れるようになるんだろうな。
RUFFHOUSEに集う先輩方は、どうやってあんなに音楽に詳しくなったのだろう・・・それは「聴き込む」しかないということがよく分かった。もっと精進しなくては!
ということで、僕が最初に気に入ったYola Carter、Fly Awayのオフィシャル音源をお送りします。