音楽コラム<vol.96> 寄稿:ホチペディア
プロレススーパースターテーマ曲列伝 第10巻
皆様、たいへんご無沙汰でした。
1年以上ぶりのホチペディアです。
さて記念すべき第10巻は"破壊王"橋本真也さんです。
橋本真也の入場テーマ曲といえば、もうこれしかありませんよね。
爆勝宣言/鈴木修
"ミスタープロレステーマ曲"こと鈴木修さんの作品です。
新日本プロレスは90年代にウッドベルという、独自の音楽レーベルを設立した関係で、その時期にテーマ曲を変える選手が多かったのですが、橋本さんだけはこの『爆勝宣言』にこだわりました。それには理由があり、実は『爆勝宣言』が定着する前は短期間ながらこの曲で入場してました。
Never/Moving Pictures
映画フットルースの挿入歌『Never』です。
日本でもピンクレディーのMIEさんがカヴァーしてヒットしましたね。
橋本さんが凱旋帰国した頃、選手の入場テーマ曲は鈴木修さんがほぼ専属の様な感じで、その選手のイメージに合わせて作ってたのですが、橋本さんだけは「これからエースになる男にはエースに相応しい曲でなかったらいかんのや!」と全く言うことを聞かず、自分でチョイスした『Never』を使用することにしました。
ただ、いざ入場してみると…自分のイメージや会場の雰囲気、ファンの反応…全然合ってないことに気付いた橋本さんは「すいませんでした!オレに合う入場テーマ曲を作って下さい!!」と鈴木さんに頭を下げ、二人で話し合って誕生したのが『爆勝宣言』でした。
こういう経緯があったので、2000年代になると新日本プロレスと鈴木さんの関係も希薄になり、所属選手も更に新しいテーマ曲に変えていく中、橋本さんだけは「オレはずっと爆勝宣言を使うから」と鈴木さんに伝えたそうです。
獣神サンダーライガーさんが脳腫瘍の手術を突然発表した後「なんでオレに言わんかったんや!!」と目に涙をためて、取材を受けているライガーさんのところへ乗り込んだり、大谷晋二郎さんのお母さんの告別式に足を負傷してて松葉杖をついている状態なのに、山口までお焼香しに駆け付けた等、情に厚い橋本真也さんらしいエピソードですね。
そして2005年7月11日、橋本さんは突然この世を去りました。
個人的な話になりますが、ちょうどその日、ワタシは父親になりました。
毎年、長女の誕生日にはセットで橋本真也さんのことも思い出しています。
そんな破壊王の生まれ変わりである長女も春から親元を離れることになりました。
これから橋本さんにはワタシの代わりに天国から破壊嬢を見守って欲しいと思ってます。
ではまたお会いしましょう。