音楽コラム<vol.102> 寄稿:Eloiseカポノ

Music&Live RUFFHOUSE

2024/07/21 18:30

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ケニー・ロギンスとの出会い その2

「The Best Of Friends」は、ロギンス・アンド・メッシーナ 解散後の1976年11月に発売されたベスト・アルバムである。

彼等のサウンドは、アメリカの良き伝統音楽カントリー、フォーク、ブルースに垢ぬけない都会サウンドを融合させて料理し直した感じで、ケニー・ロギンスとジム・メッシーナの心温まるハーモニーがこれぞ、ウエストコーストを感じさせて、ほんとバラエティに富んだものであった。そして僕は、ケニー・ロギンスの表情豊かな歌声に魅了されてしまった。こんな素敵なサウンドがもう聴けないなんて!と嘆いていたのもホンの束の間だった。解散後、翌年の1977年に届けられたのは、ケニー・ロギンスのソロ・アルバムだった。邦題が「未来への誓い」原題は、Cerebrate Me Home。やはり、音楽というのは、アレンジ・プロデュースによってここまで変わるのか?ということをまざまざ見せつけられたアルバムであった。

プロデューサーとアレンジは、クロスーオーバー・ミュージックの立役者のボブ・ジェームス。世は、クロスオーバーミュージック全盛時代。ニューヨークとロスで録音され、バックミュージシャンもニューヨーク、ロスのスタジオミュージシャンが中心。ボブはもちろん、リトナー、ガッド、メイソン、ゲイル、ブロック、マクラッケン、フォード、etc… 悪かろうはずがない!全編、都会的なサウンドにケニーの抒情性溢れるボーカルが響き渡る。大らかで自然派だった彼が、見事にここまで変身するかと驚いた!47年経った今でも、古さを感じさせない。実は、このアルバムを買ったのはほんの数年前のことである。発売当時は親友のU君にスコッチのテープに録音してもらって聴いていた。スコッチのカセット・テープ、ケースが透明で中が透けて見えてオシャレであったが何度も繰り返し聴いているうちに磁性体が薄かったのか?再生ヘッドにテープが絡みついて、キィーーという音がよくしていた。見栄えは良かったが、物理的には難ありだった。社会人になり、レンタルレコード屋さんで、アルバムを借りてきて、TDKのテープに録音し直したのは、言うまでもない(笑)

彼のソロ第2弾は、翌年、僕が大学へ入学した1978年に発売された。「ナイト・ウォッチ」と題されたアルバム。初めて買った彼のソロアルバムだった。前作と同じく、ボブ・ジェームスがプロデュース、アレンジ。違ったのはバックがケニー・ロギンスのバックバンドだったことだ。前作は、ボブ・ジェームスバンドのゲストボーカル、ケニーといった感じであったが、やはり、ずっと一緒にやっているメンバー、アルバムは、ロック感が増し、まとまりが感じられた。このアルバムからは、大ヒットが生まれた。女ブルーアイド・ソウルシンガーのメリサ・マンチェスターとの共作曲、Whenever I Call You “Friend” なんとデュエットしているのは、当時、飛ぶ鳥落とす勢いのあったイギリスのバンド、Fleetwood Macの女性ボーカルの1人、スティーヴィー・ニックスだった。正直言って彼女の声は今でもあまり好きじゃない(笑)

このアルバムからは、他にもシングルカットされずに大正解だったという曲、この年の暮れに別のグループが出したアルバムに収録され、シングルカットされ大ヒットした曲も入っていた・・・・・・その3に続く。

Whenever I Call You “Friend” 
1978年10月28日付 Billboard Hot 100最高位5位

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