音楽コラム<vol.113> 寄稿:Eloiseカポノ

RUFFHOUSE

2026/08/24 23:30

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コラム Cross Over 21 第11夜 (2026.8.4)

ラジオ連動型コラムの第11夜です。

最後までお読みいただき、ぜひラジオの無料リアルタイム放送や有料会員向けのアーカイブ放送もお聴きいただければ幸いです。また、どんなことでも構いませんので、コメントを書き込んでいただけると励みになります!

8月5日はジェフ・ポーカロさんの命日です。
当時は「自宅の庭で殺虫剤を散布中に倒れたための急性アレルギー」と伝えられていましたが、その後の解剖結果により、長年の喫煙やコカインの影響も絡む動脈硬化性冠動脈疾患が心臓発作を引き起こしたと結論づけられました。38歳という若さ……もし生きていたら、どれほど多くのセッションやレコーディングに参加できていたでしょうか。残念でたまりません。第11夜は、ジェフさんがまだTOTOに参加する前の貴重なお仕事をお届けしました。


1. She Did It(愛をくれたあの娘)/ Eric Carmen (1977 : Boats Against The Current)
ラズベリーズ解散後にソロへ転向し、大ヒット曲「All By Myself」をリリース。その次のアルバムの邦題が『雄々しき翼』で、「なんのこっちゃ?」と当時は思っていました。この曲の邦題も「愛をくれたあの娘(コ)」ですが、「She was bringing me love」と歌った後に「Oh Mama, She Did It」と続くのを聞いて納得です!


2. So, So, Happy / Valerie Carter (1977 : Just A Stone’s Throw Away)
AORファンには、TOTO周辺の凄腕ミュージシャンが多数参加した2ndアルバム『Wild Child』がおすすめですが、私はやはりこちらのデビュー作(邦題『愛はすぐそばに』)が好きです。アンニュイな雰囲気のジャケット、ソウルフルでどこか物憂げ、そして透明感もある唯一無二の歌声がたまりません。数々のミュージシャンに愛された理由がよく分かります。


3. My Minds Made Up / Lisa Dal Bello (1977 : Lisa Dal Bello 燃えるリサ、19歳)
この時期、ジェフ・ポーカロさんの恋人であった19歳の未成年!なんとも官能的な歌声で声量も豊か。タイトなリズムに乗って、だんだんヴォルテージが上がっていく軽快なディスコナンバーです! それにしても邦題には笑ってしまいますね。リサが燃えたら大変です、ジェフさん(笑)。


4. The War Was Over / Terence Boylan (1977 : Terence Boylan)
60年代後半にスティーリー・ダンのドナルド・フェイゲンやウォルター・ベッカーらとバンドを組んでいたテレンス・ボイラン。レーベルがアサイラムなのでジャクソン・ブラウン的な音かと思いきや、これはAORの走りと言っていいでしょう。この曲にはジェフさん、そしてなんとスティーヴ・ルカサーさんも参加しています。ルカサーさんにとっては初セッション作品とのこと。「戦争は終わった(The War Was Over)」……現在、最も欲しい言葉ですね。


さて、番組中盤には、かねてからラジオでフィリー特集をやりたいとおっしゃっていたMiuraさんが満を持して登場しました。

Miura Takahiro 氏のフィリー・ソウル(Philly Soul)特集
ここからは、Miura氏による解説です。

 

5. La-La Means I Love You / The Delfonics (1968 : La-La Means I Love You)
大学生の頃、ブルースが大好きでバンドで演奏したり、戦前のブルースまで遡ってレコードを収集したりしていました。当時はそんな仲間が大阪や高松に何人もいたのです。そんな折、雑誌『宝島』の湯村輝彦氏のページで甘茶ソウルの存在を知り、湯村氏推薦のデルフォニックスを聴いてみたくなりました。大阪まで探しに行って手に入れたLPの1曲目、この曲に深く感動し、そこからは甘茶ソウルにどっぷりハマってしまい……その結果、ブルース仲間が離れていったのは言うまでもありません(笑)。 トム・ベル氏プロデュースで1968年にリリースされた、フィリー・ソウルの代表曲です。

 

6. Could It Be I’m Falling In Love / The Spinners (1973 : Spinners)
デトロイト出身で、モータウン所属時代は今ひとつ人気が出なかったグループですが、アトランティック移籍後、トム_ベル氏のプロデュースによりこの曲が大ヒットしました。邦題は「フィラデルフィアより愛をこめて」です。

 

7. Smarty Pants / First Choice (1973 : Armed and Extremely Dangerous)
シグマ・スタジオのハウスバンド「MFSB」のギタリストであるノーマン・ハリス氏がプロデュースした女性3人組グループ。日本国内でレア・グルーヴが流行した頃にちょっとした人気になりました。「Smarty Pants」とは「知ったかぶりする人」などを意味するスラングです。

 

8. Sideshow / Blue Magic (1974 : Sideshow)
デルフォニックスに並ぶスウィート・ソウルの人気グループ。この曲もノーマン・ハリス氏のプロデュースです。ファルセットがたまらないですね。1989年に突如『From Out Of The Blue』という素晴らしいアルバムでカムバックしました。

 

9. You’ll Never Find Another Love Like Mine / Lou Rawls (1976 : All Things In Time)
ギャンブル&ハフのプロデュースで、フィラデルフィア・インターナショナル・レコードからリリースされたヒット曲。フィリー・ソウルを代表する都会的なサウンドです。邦題は「別れたくないのに」。

 

10. When Will I See You Again / The Three Degrees (1973 : The Three Degrees)
当時日本でも大人気だったスリー・ディグリーズのヒット曲(邦題「天使のささやき」)。こちらもギャンブル&ハフの作品です。 “When will I see you again ? Are we in love or just friends ? Is this my beginning or is this the end ?” (いつまた会えるの?私たちは恋をしているの、それともただの友達?これは私の始まり?それとも終わり?)胸キュンですね!

さすがダンディなMiura氏、素敵な解説です。私も見習わなくては(;^ω^) さて、再びジェフ・ポーカロの名演に戻ります。

 

11. FM / Steely Dan (1978 : FM)
ロサンゼルスの架空のFM局を舞台に、70年代後半のラジオの世界を描いたコメディ映画の楽曲です。全編に流れる当時のヒット曲の中でも、テーマ曲はその名も「FM」!オープニングはボーカル入り、エンディングはインストです。淡々とビートを刻むジェフさんのドラムは一見面白みに欠けますが、これはこれで味わい深いのではないでしょうか。

 

12. Undercover Angel / Alan O’Day (1977 : Appetizers)
Billboard HOT 100で1位を獲得したのは1977年7月9日!曲開始4秒前に、いきなりジェフさんのフィル「トゥルタタタン」が登場します。発売当時は「ジェ」の字も知らず、ヒットチャートを追いかけていた高校3年生でした。 山下達郎さんも愛したアランさん。この方もご存命ならどんなに素晴らしい作品を残していたか……達郎さんとのコラボも数多く生まれたことでしょう!

 

13. Gimme The Goods / Boz Scaggs (1977 : Down Two Then Left)
この曲の聴きどころは、ジェフさんがハイハットを連打して叩き出す32分音符!目にも耳にも止まらぬ速さに驚かされます。ボズさんもシャウトしまくって煽りまくっています! 余談ですが、このアルバムは私が大学受験の前日まで(いや、当日も)聴いていた思い出の1枚でした。

 

14. World Keeps On Turning / Leo Sayer (1977 : Thunder In My Heart)
前作ではジェフさん以外にスティーヴ・ガッドさんも叩いていましたが、本作では全編でジェフさんのプレイが聴けます。ボズ・スキャッグスの『Down Two Then Left』や今作の時期からシンセドラムが使われ始めました。今聴くとなんともチープな音ですが(笑)、当時は最先端でした!

 

15. Where Did Our Love Go Wrong / Fools Gold (1977 : Mr. Lucky)
ダン・フォーゲルバーグのバックバンドがそのままデビューしたフールズ・ゴールド。トム・ケリーとデニー・ヘンソンの2人組となり、リズム隊のジェフ&マイクのポーカロ兄弟、デヴィッド・ペイチ、デヴィッド・フォスターなど、錚々たるLAミュージシャン達がバックを固めました。サウンドもカントリー・ロックからAORへと大変身を遂げたアルバムです。


Eric Carmen - She Did It (U.S. TV Live, 1977)
おそらく口ぱくなので、ドラムはジェフさんではありませんが、音はジェフさんなので聴いてみてください。


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