音楽コラム<vol.114> 寄稿:Eloiseカポノ

RUFFHOUSE

2026/09/01 00:41

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コラム Cross Over 21 第12夜 (2026.8.18)

まだまだ夏の余韻を――KALAPANA特集

ラジオ連動型コラムの第12夜です。最後までお読みいただき、ぜひラジオの無料リアルタイム放送や有料会員向けのアーカイブ放送もお聴きいただければ幸いです。また、どんなことでも構いませんので、コメントを書き込んでいただけると励みになります!

お盆も終わり、お天気も、いっときのような「夏!!!!」と思わせる日が少なくなってきました。
朝晩は少し過ごしやすくなってきたようにも思います。

夏が終わってしまう――

そんな寂しい気分になりませんか?
でも、僕はまだ夏を終わらせたくない。
そんな、まだまだ夏の余韻を感じていたいあなたにお届けする第12夜は、KALAPANA特集です。

1. Black Sand (2007 : Many Classics Kalapana Plays Their Best)
波の音。
官能的なサックスの音に絡むシンバル、エレピ。
夏の代名詞ともいえるサウンド。
「Black Sand」。
そう、夏だ。ハワイだ。カラパナだ!
もう、この決まり文句しか似合わない曲です。
オリジナルは1976年のセカンドアルバムに収録されていましたが、今回お聴きいただくのは、2007年に発売されたリメイク・バージョン。
ここでは、すでに脱退していた、この曲を作ったオリジナルメンバー、キーボードのカーク・トンプソンが、当時を彷彿とさせるエレピのソロを聴かせてくれます。
そしてサックスは、オリジナルと同じマイケル・パウロ。
炸裂するギターは、DJプラット。
ハワイナンバー1のギタリストともいわれた人です。

 

2. Nightbird (1975 : KALAPANA)
今でも覚えています。
マッキー・フェアリーさんのこの曲が、プリンセス・カイウラニ・ホテルのロビーで流れていたことを。
「ハワイに来たんだなぁ~」
そう感じた瞬間でした。
マラニー・ビリューさんが「一番好き」と言っていた曲でもあります。
今では、ハワイアン・スタンダードともいえる一曲ですね。

 

3. Love'Em (1976 : KALAPANA II)
こちらもマッキー・フェアリーさんの作詞・作曲・ヴォーカル。
そして、ベースも彼です。
実は、マッキーさんはKALAPANAのベーシストだったんですよね。
出だしから彼のベースと、メロウなフルセットで始まる、いかにもKALAPANAらしいサウンド。
ハワイアン・グルーヴともいうべきこの音に、マイケル・パウロさんのソプラノ・サックスが加わると、なぜかトロピカルな音色に聴こえてしまう。
どうしてなんでしょう?
それは、KALAPANAサウンドだからなんです。

 

4. Juliette (1976 : KALAPANA II)
マッキーさんが、KALAPANAの弟分ともいえるグループ「Summer」のロナルド・ユェンさんとカリフォルニアで一緒に合宿し、ライブ・サーキットを行っていた時期に作った曲。
タイトルの「Juliette」は、当時使っていたカセットデッキにつけていた愛称だったそうです。
どこか哀愁が漂っていて、日本人の琴線に触れる一曲。
こういう曲、好きなんですよね。

 

5. Many Classic Moments (1978 : Many Classic Moments)
サーフィン映画『Many Classic Moments』から、同名タイトル曲。
サーファーたちのアンセムともいえる曲です。
個人的には、彼らのライブで、マラニー・ビリューさんの歌に合わせて一緒に歌っていました。
日本のカラオケではKALAPANAの曲を見かけることはありませんが、ハワイのカラオケハウスなら、もしかしたらあるのかもしれません。
一度、歌ってみたい曲です。

 

6. Naturally (1975 : KALAPANA)
マッキー・フェアリーさんとは対極をなすヴォーカリスト、マラニー・ビリューさんのおおらかな名バラード。
今でもKALAPANAのライブでは、アンコールで演奏される曲です。
サポートメンバーのサックス奏者、トッド・ユクモトさんが客席を練り歩くことでも有名な一曲。
ハワイの風を感じる、素晴らしいバラードです。

 

7. (For You) I'd Chase A Rainbow (1976 : KALAPANA II)
「Naturally」に続いて、こちらもマラニー・ビリューさんが歌う、ハワイの風景が目に浮かぶような素敵なバラード。
ハワイでは、しょっちゅう虹が現れたり、消えたりするんですよね。
実際にハワイへ行ったことのある方なら、きっとわかっていただけると思います。

 

8. Thoughts Of You (1977 : KALAPANA III)
マラニー・ビリューさんが歌う、ハワイの風景が見える美しいバラードを2曲続けてお聴きいただきました。
さて、マッキー・フェアリーさんはセカンドアルバムを出した後にKALAPANAを脱退しました。
そう。
セカンドアルバムまでは、ベースはマッキーさんだったんです。
そして1977年のサードアルバムからは、ランディ・アロヤさんという方が正式メンバーとなり、ベースとヴォーカルを担当しました。
その彼が書いた、なんとも涼しげな曲。
イントロのフルートは、正式メンバーとして参加したマイケル・パウロさんです。

 

9. Sunny Days (1978 : Many Classic Moments)
4枚目のアルバムは、サーフィン映画『Many Classic Moments』のサウンドトラックとなりました。
DJプラットさんの作品で、ヴォーカルも彼。
軽快なAORサウンドです!

 

10. Down By The Sea (1978 : Many Classic Moments)
「Black Sand」の作者でもある、キーボードのカーク・トンプソンさんが歌う「Down By The Sea」。
サックス・ソロは、もちろんマイケル・パウロさんです。
『Many Classic Moments』は当時、公開されてヒットしていたそうですが、いったい日本では、どこで上映されていたのでしょう?
ちょっと気になるところです。

 

<リクエスト曲>
11. If You Leave Me Now / Peter Cetera (1997 : You Are The Inspiration)
12. If You Leave Me Now / Chicago (1976 : Chicago X)
シカゴが1976年に発表したアルバム『Chicago X』。
チョコレートのジャケットで知られるアルバムです。
この曲はピーター・セテラさんが作詞・作曲し、シカゴとして初の全米シングルチャート1位、Billboard Hot 100を獲得しました。
1976年10月23日と30日の2週間、1位を記録。
邦題は「愛ある別れ」。
翌年の第19回グラミー賞では、「最優秀ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞(グループ部門)」などを受賞しました。
そして、およそ20年後。
ピーター・セテラさん自身がセルフカバー。
オリジナルより少しゆったりとした、アコースティック・ヴァージョンになっています。
今回は、この2つを聴き比べていただきました。

 

13. Hard Times (1979 : Northbound)
1978年9月、合歓の里にひと月滞在して作られた5枚目のアルバムです。
ここから、ギターのDJプラットさんを中心に、KALAPANAの音楽性を変えようとしているのが、ありありと見えてきます。キャッチーでポップなナンバーです。

 

14. Got To Find Your Girl (1979 : Northbound)
これは完全にAORナンバー!
明らかに、マラニーさんとの音楽性の違いが見て取れます。
そして、この録音後にマラニーさんはKALAPANAを脱退しました。

 

15. Tropical Typhoon (1980 : Hold On)
最後に、この曲について少し個人的な話をさせてください。
大学時代の同級生に、当時、学生でありながらアメ車のメンテナンス会社の社長をしていた友人がいました。彼のお父さんの故郷が僕と同郷だったこともあり、僕は彼と一番仲良くさせてもらっていました。
その彼が買った、このアルバム。
今でも僕の手元にあります。
だから、この「Hold On」というアルバムには、とても思い出があります。

1980年のKALAPANA


正直に言えば、もうDJプラットさんのソロ・プロジェクトのような感じです。

もはや「名前だけ、KALAPANA」。
曲名には、ちゃんとKALAPANAらしさが残っているんですけどね。
そして、このあとKALAPANAは自然消滅してしまいます。
でも、僕にとっては、このアルバムもKALAPANAなんです。
なぜなら、そこには友人との思い出があるから。
実は、その同級生は、今から31年前、ある殺人事件の指示役として殺人罪で起訴され、その後、拘置所で自ら命を絶ってしまいました。
今でも、信じられません。
本当に、面倒見のいい奴だったんです。
だから、僕が今もKALAPANAのファンであり続ける理由のひとつは、彼のためでもあるのかもしれません。

彼が買った、このアルバム。

今も僕の手元にあります。
だから、これからもKALAPANAを聴き続けます。
そして、愛し続けます。
彼のことを思い出しながら。
夏が終わっても。
KALAPANAの音楽がある限り、僕の中の夏は、まだ終わりません


8月13日は、マッキー・フェアリーさんの71回目のお誕生日でした。

彼の旧友、ドニー・マーチンさんが彼の様々な裏話を話してくれています。
カセットレコーダの話も、桑名晴子さんのことも!
ただし、英語ですが字幕が出るんで、自信のある方は訳してみてください。


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