音楽コラム<vol.33> 寄稿:わかばやし
「名前だけでも覚えて帰ってください〜ラップスティールギターのすすめ〜」
皆様はじめまして。
高松でラップスティールギターを演奏している、「わかばやし」と申します。
高松RUFFHOUSE CEO今城さんにお声がけ頂き、コラムを寄稿させていただくことになりました。よろしくお願い致します。
「ラップスティールギター弾いてます」
この自己紹介で「ああ!あの楽器ね!」とピンと来てくれる方が一体何名いるでしょうか…?
折角の機会なのでラップスティールギターについてご紹介したいと思います。
多くの方にとってあまり馴染みのない名前の楽器ですが、「フラダンスの伴奏でフワフワしたメロディを弾いている楽器です」と説明すればほとんど皆さんに「あぁアレね!」と分かっていただけると思います。
こんなやつです。
・Alan Akaka and The Islanders - Pua 'Iliahi (2017)
そんな名前はマイナー、存在感はメジャーなラップスティールギターは、1889年ハワイでジョセフ・ケククと言う青年がポケットナイフの柄(または鉄道の犬釘)をギターの上に落とした時に偶然鳴った音がきっかけで生まれたと言われています。
(起源については諸説あります)
ギターのボディトップを上に向けて膝(=lap)に乗せ、左手に持った鉄製の「スライドバー」を弦の上で滑らせて音程を変化させることで個性的なサウンドを出せるのが特長です。
ブルースやロックに詳しいラフハウスのお客様や出演ミュージシャンの方からは「そんなんボトルネックギターと一緒やん」と言われそうですが、ネックを上に向けて構えバーを手で持つことによってボトルネックよりも複雑な和音やメロディを出せる点が異なっています。
上でご紹介した動画は戦後のエレキラップスティールギターを使ったスタイルの演奏ですが、今回はジョセフ・ケククさんが始めた当時に近いアコースティックスタイルの動画を紹介して締めたいと思います。
・Kalama's Quartet , New York in January 1927
My Hapa Haole Hula Girl.
「ラップスティールギター」、これを機に名前だけでも覚えて帰ってください。