音楽コラム<vol.65> rookie1957@今は池袋本町

Music&Live RUFFHOUSE

2022/07/16 12:00

フォロー

ラフハウスが教えてくれたシリーズ、その2「満月の夕」



どうしてルーキーは路上で、突撃した全国のライブ酒場で満月を歌い演奏し続けるのか。



VISSEL KOBEチャンネル【2016年4月24日】

ヒートウェイヴ山口洋さん「満月の夕」LIVE at ノエビアスタジアム神戸


商店街でも駅前でも、ストリートで演奏していると立ち止まる人が多かったり、曲名を聞かれる事が多い楽曲「満月の夕」と、山口洋というロックそのものな生き様ミュージシャンのお話です。



かなり以前のいつだったか。いつものように、ラフの店主が「これ、ルーキー、聞いといた方がいいっすよ。」というアナウンスメント。

店主の安打率は、まあまあルー・ゲーリックくらいかと。


でも。ルーキーとしてはともかく山ほどのジャンルの様々なサウンドに接したいので、出かけるようにしてる。

で。あの地下の狭ッ苦しいライブなバーで山口洋を見た。

「全国のライブ会場で、演奏者の真ん前がこのカウンターって店、あるか!?」と言って足でカウンターを蹴り上げたりしてた。(そりゃそうだよな。ルーキー談)


で。山口洋のステージ。


驚いた。


なんのジャンルでもない。

自由自在にギターを操って、その時に演奏したいように演奏してる、奔放なサウンド。

それを可能にするものごっついギターテクニック。ギターとサウンドに乗っかるコトバの縦横無尽さ。

で、なんやかんやまるごと一体化してこっちにぶつかって来るのは、ロックンロールな生き方をして来た山口洋の人生そのものの分厚さ。

とか、うまくことばで、文章で言えないけど。衝撃を受けた。


そのライブの中で、「満月の夕」を演奏した。ハードな曲、自由奔放な曲が多かった中で、山口洋の演奏はメロディをしっかり伝える静かに演奏するスタイルだった。(間奏は自由だったけど)歌詞が、ことばが突き刺さる。


で、ライブのあとから「満月の夕」という楽曲について検索で調べ上げた。

ソウルフラワーユニオン版の演奏、中川敬の歌詞(関西では、こちらが浸透してる)を聞いて読んで。


山口洋と中川敬の様々なエピソードを読んで。何がほんとうかは分からないけど。


1つの曲に、2つの歌詞があることを知った。

2つの歌詞を聞きながら写し書きをして。

並べて読んで。


rookieとしては、やっぱり、中川敬歌詞ではなく、山口洋歌詞を演奏しようと決めた。


揶揄に満ちた詩情そそる言い回しの中川敬版もいいんだけど。

でも。

山口洋の歌詞は、直接的なメッセージで、ロックだった。


コード進行を探していて、山口洋本人のブログ、「ROCK 'N' ROLL DIARY」に、こんな投稿があるのを発見した。


満月の夕/投稿日: 2015年1月18日 作成者: Yamaguchi_Hiroshi

>>ブログ抜粋>>多いに歌ってください。要望があまりに多いので、コード譜、載せておきます。ご自由にどうぞ。これは確か、数年前のARABAKIで奥田民生氏がHWと一緒に演奏してくれた時に僕が書いたものです。彼の歌を横で聴いていて、自分が表現できなかった風景が中空に描かれていくのを感じて、ひじょーに感動したのを覚えています。<<ブログ抜粋ここまで<<

そのコード譜がこれ。



ルーキーとしては、自分のレパートリーに入れるべく練習、スクラップ&ビルドアレンジ開始。で、いつの間にか、定番のレパートリーになった。

丸亀町商店街で、高松駅前で路上をやっている時も、必ず演奏した。路上演奏の場合、セットリストを考えなくていい。20分、30分の曲の構成、起承転結などライブとしての構成を考えなくてもいい。

立ち止まる人は少なく、ただただ、たくさんの人が目の前を通り過ぎるだけなので、rookieは、その日、その時に演奏したい曲、1,2曲を延々と30分、1時間繰り返すこともある。

で、だいたい、「いつも何度でも」と「満月の夕」を延々繰り返すことから路上演奏が始まることが多い。

高松時代でもいろんなお店、ライブ会場でやった。何年か続けて「街角に音楽を」に出させてもらっていた時も、20分枠、30分枠だけど、必ず定番としてセットリストに入れた。

高知、広島、島根、奈良、大阪などの「街角」的な音楽フェスに応募して通って出演した20分ステージでも、必ず、演奏した。

東京に来てからも、いろいろなライブバー、音楽酒場、フォーク酒場に出掛けた時には必ず演奏した。東京で演奏する時には、いつもこんな前説を言ってから、演奏する。

「関東の方には馴染みがあまりないかも知れませんが、満月の夕という楽曲があります。阪神淡路大震災の時に、その焼野原で生まれて歌い継がれ。2011年の東北大震災の後には、関西から東北に伝わり歌い継がれた曲です・・・云々」で、ドンと始める。

「私が演奏活動をしているのも、やっぱり、表現したいこと、伝えたいことがあるわけで。そのひとつが、この満月の夕を歌い続ける、というのがあります・・」で、ガツンと始める。

満月の夕のrookieアレンジは、ストロークとリズム、テンポの組み合わせが3種類あり、その日の気分によって1つのバージョンだったり、1と3を組み合わせたりで、自由にやってます。

先に書いた山口洋のブログにもあったように「大いに歌ってください。ご自由にどうぞ。」とあるので、自由にやらせてもらってます。

最初にラフハウスで山口洋を体験してからは、ラフに来る時には必ず出掛けてた・・・何度目かのラフハウスでのライブ前・・山口洋が準備のために出入りしているのを狙って、思い切って声を掛けようと・・あのラフの、クソ狭い曲がっている地上への階段を上がり始めると、山口洋が降りて来て・・勇気をふり絞って・・

「あの、こんなシニアなんですが、ストリートで満月の夕、やらせてもらってます」と声をかけた。

山口洋は、「どうぞどうぞ、自由にやってください・・」と手短に応えてくれて、rookieと目を合わさずに下を向いてあの曲がりくねったクソ狭い階段でrookieとすれ違って降りて行った。

あー、言えて良かったっす!

・・・・ついこの間、2022年の7月8日の金曜日の夜9時か10時頃。新宿西口、バスタ新宿の向かいの広い歩道で、コロナ禍になって初めての、3年ぶりくらいのストリートやりました。

で。もちろん。50分くらいの間で、4,5回は、満月の夕、演った。

アンプやマイクスピーカーなしがrookieの路上スタイルで、車の音や人のざわめきで結構やかましいバスタ前だったけど。満月の夕を演奏し飛沫を飛ばして歌い挙げていると、時折、この曲を知っているのか、歩きながらこちらを向いたり、通り過ぎて声が聞こえたのか振り返ったり。曲を知っているだろう人と思われる人が、ほんの少しだけ立ち留まったり。燃える夜の新宿路上に、なった。

 


これからも、満月の夕、演奏し続けようと、ほんとに思えた一夜だった。

満月の夕べの2つの歌詞。


最後に、蛇足ながら、様々なミュージシャンがカバーしている演奏を集めてみた。

ソウルフラワーユニオン版の歌詞が多いけど、パンクロックの「ガガガSP」と、なんと、パンクと真逆のアン・サリーが山口洋版の歌詞で演奏している。


音楽コラム、最後まで読んでくれて、ありがとうございます。

また!

**********


ガガガSP/山口洋版/パンクアレンジ/1コーラス目の歌詞とサビの繰り返しアレンジ




アン・サリー/山口洋版/山口洋の歌詞をフルでバラードで歌っている。




ハンドスピーカーで、フリージャズ、路上仮設ステージでで歌い切ってる

酒井俊『満月の夕』東北関東大震災 チャリティーJAZZライブ

岡 淳(sax) 井上JUJU博之(sax) 竹内直(sax)




SUGIZO(LUNA SEA/X JAPAN) × TOSHI-LOW(BRAHMAN/OAU)【LIVE from the Office】Vol.2 - 満月の夕




山口洋とHEATWAVE 2005年1月15日のニュ-ス番組出演時




MY LIFE IS MY MESSAGE / LIVE IN SOMA CITY vol.2

2012.11.3 FOOD & BAR 101(福島県相馬市)にて

仲井戸 "CHABO" 麗市 ✕ 山口洋 (HEATWAVE) / 満月の夕


**********************



ページを報告する

コピーしました

有料会員になるとオーナーが配信している有料会員限定のコンテンツを閲覧できるようになります。

Music&Live RUFFHOUSE ¥600 / 月

会員登録する

コピーしました