音楽コラム<vol.82> 寄稿:嶋田エイジ
こんにちは!
40歳を機にギター弾きから転向、シンガーソングライターとして弾き語りを始めた 嶋田エイジ と申します。RUFFHOUSEで音楽コラムを書かせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします!!
ソングライターあるあるだと思いますが、メロディーや歌詞、アレンジを、分析的に聴いてしまう癖があります。歌詞の内容そのものに心が揺さぶられるときも当然ありますが、
「あぁ、こんな素晴らしい曲を書けるって、なんて力のある人なんだろう!!」
「あぁ、どうしたらこんな素敵な表現を思いつくんだろう?!」
涙腺が緩んだ力の抜けた頭で、その表現に至った素に勝手な想像をめぐらせ、どうにか自分のものにできないものか、と考えてしまいます。
「赤い公園」というバンドでギターと作詞作曲をしていた津野米咲さんもその一人です。当初はかなり奇抜な曲を書いていたのですが、有名プロデューサーが参加した2ndアルバムから化けまして、個性的でいてPOPな、素敵な歌をどんどん書くようになりました。
特に歌詞がアルバムごとに大きく成長し、歌詞の主人公が「男か女かはどっちでもいい(by さかなのこ)」ぐらい、心に響いてくる曲がたくさんあります。最新アルバムの「THE PARK」は、捨て曲のない、たいへん素晴らしいものでした。
僕はその才能が羨ましく、彼女自身になりたいぐらい、強い憧れを感じています。50を過ぎたおっさんが、20代の女の子に、こんなにも心を奪われていることに、我ながら引いてしまいます。。。
それでも彼女がコロナ禍の2020年10月18日に、自室で亡くなったことを知った時、自分がここまで喪失感やショックを受けるとは思っていませんでした。2年経った今でも、曲を聴いている最中、急に目頭が熱くなってしまうのです。
バンドの顔であるヴォーカルが脱退したとき、解散を考えたようですが、武道館やドームなど、まだまだ見たことがない景色があるうちは諦めたくない、とバンドを続けたことをインタビューで読みました。「yumeutsutsu」を聴いて、彼女の決意と覚悟を見た気がして、これからの活躍にわくわくしていた矢先でした。
きっと僕は自分自身の救済を「終わらない続きを生きている」彼女の中にみていたように思うのです。
■赤い公園 「yumeutsutsu」Music Video
■赤い公園 yumeutsutsu 歌詞 - 歌ネット