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音楽コラム<vol.86> 寄稿:ノイリー・プラット
素敵すぎる、荒井由実時代のユーミン
2022年は、松任谷由実さんデビュー50周年の年なんだそう。それを記念して、先日50曲+新曲1曲の入ったベストアルバムが発売された。そんなにも長い間、日本の音楽業界で第一線を走り続けているなんて、才能のかたまりでしかないなあ、と思っている。
そんな50年の中で、わたしの特に好きなのは「荒井由実」時代のユーミンだ。
バブル期に突入する前のそのアルバムたちは、決して派手ではない。スキーもサーフィンも出てこないし、屋根の開く車でドライブもしない。
そこにあるのは、時代を経ても変わることのない、風景や心の機微をとらえた美しい言葉たち。そして、最高のアレンジで演奏される胸に染み込むようなメロディだ。数は少ないが、しなやかな芯の強さを感じる名盤ばかりである。
わたしの学生時代から音楽の教科書に載っていた「卒業写真」も、ジブリ映画に使われた「ルージュの伝言」「やさしさに包まれたなら」「ひこうき雲」もこのころの作品である。
世間では、彼女の曲は恋愛のバイブルみたいに言われているけれど、それ以外のことを歌った曲もこれまた素敵である。
荒井由実時代で一番好きなセカンドアルバムに収録されているこの曲は、彼女の好きなミュージシャンのことを歌った、とても静かな曲だ。
ミュージシャンの作る、音楽が好きでたまらないという曲は、やはり音楽が好きでたまらないわたしにとって、心を鷲掴みにされる魅力にあふれている。
あ、今回のベストアルバムには未収録ですが。
それでは聴いてください。
荒井由実で「私のフランソワーズ」。