音楽コラム<vol.92> 寄稿:わかばやし
「白人カントリースティールギタリスト 〜Darby and Tarlton~」
皆様こんにちは。わかばやしと申します。
今回ご紹介するのは、アメリカ本土生まれの白人スティールギタリスト、Jimmie Tarltonを擁するカントリーデュオ、Darby and Tarltonです。
南カリフォルニア生まれのTom Darby(vo,g) 、Jimmie Tarlton(steel g)の二人組ユニットDarby and Tarlton は1926年〜1935年頃に活躍した最初期のカントリーデュオです。
以前ご紹介したJimmie Rodgersと同時期にスティールギターを持ち込んだカントリースタイルで活動、録音していたようですが、特筆すべきはスティールギタリストがハワイ出身ではなくアメリカ本土出身だった、と言う点です。
南カリフォルニアで生まれ育ったJimmie Tarltonは農作業の余暇でフレットレスバンジョーなどを演奏する父親の影響でバンジョー、ギター、ボトルネックギターなどを弾いていたようですが、1920年代のハワイ音楽の流行期にアメリカ本土で活躍していたハワイ出身のスティールギタリスト、Frank Fereraに師事してハワイアンスタイルのラップスティールギター奏法を習得しました。
まさに白人スティールギタリスト第一世代と言える歴史的な存在であること間違いなしです。
そんな彼の特徴はのびのびとした歌心あるメロディに時折畳み掛けるような細かいフレーズを入れる、バランス感がある聴きやすい演奏スタイルです。
・Darby and Tarlton - Birmingham Jail
・Darby and Tarlton - Careless Love
戦前アメリカ音楽の中でもThe Carter Family、Mississippi John Hurtのような牧歌的なミュージシャンが好きな方にはきっと気に入ってもらえると思いますので、是非一度お聴きください!