
音楽コラム<vol.105> 寄稿:Eloiseカポノ
コラムCross Over 21 第3夜 2026.5.21
ラジオ連動型のコラム第3夜です。最後までお読みいただき、そしてぜひ、ラジオの方も、無料のリアルタイム放送と有料会員のアーカイブ放送もお聴きいただければ幸いです。
2026年5月21日 第3夜
今夜は、BOZ SCAGGS特集 ほとんどAORじゃない彼のお歌をお届けしました。
7年前のローリングストーン誌のインタビューで
「70年代半ば~後期は最高に楽しかった。名高い最高のミュージシャン達と仕事したからね。これまで聴いた音楽の中で最も洗練された音楽がそこにあった。あの頃の私は自分の本領から少しはずれたところにいた・・・<~略~> でも、あのスタイルにどっぷり傾倒することはないと思う。」
こんな風に語っていたボズさん。
そんな彼の意図を汲んで、今回は、全て、違うアルバムから、ブルース、ジャズ、ソウル、ロック、AOR、ポップなものを選曲してみました。
前半は、過去の来日時のオープニング曲を
中盤は、いろんなタイプの曲を
後半は、やはりAORの曲を
アンケートでは、8割の方がAORのBOZが好きだと、2割はJAZZだと言う割合でした。
1. It’s Over ( Silk Degrees : 1976 )
2025年のアメリカのTourではオープニングなので、来日時もおそらくこれだと勝手に予想。
2. Runnin’ Blue ( Boz Scaggs & Band : 1971)
2015年の来日時は、BOZの作曲したR&Bナンバーを、AORを期待していて裏切られました。
3. Breakdown Dead Ahead ( Middle Man : 1980)
Middle Manを引っ提げた2度目の来日は、軽快なロックンロールAORで幕開け!
4. Sierra ( Some Change : 1994)
コロナ明け、5年ぶりの2024年の公演のオープニングは、しっとりとしたバラッドから幕開け。
5. Love T.K.O. ( Fade Into Light : 1999)
デヴィッド・オリバーのためにセシル・ウーマックが作った曲、自身も録音。メローなソウルバラッド、うっとりします。
6. Downright Women ( Moments : 1971)
1977年8月から1983年9月25日までの間、毎週日曜日午前10時からFMでやっていたラジオドラマ(愛の街から)のテーマ曲。マイ・フェイヴァリットNO.1です。ボサノバタッチの曲。
7. T-Bone Shuffle ( Come On Home : 1997)
ご存じ、ブルースギタリスト、シンガーT‐Bone Walkerの曲、実は私、高校1年生の時に先輩のバンドで、トランペッターとして参加し、この曲を演奏したんですよ。先輩は、今はプロのミュージシャンとして大活躍?のゴトウゆうぞう!
8. The Very Thought Of You ( Detour : 2025)
昨年17年ぶりに出たJazz Albumからは、ナットキング・コール、ドリス・デイ・エラフィッツ・ジェラルド等々も歌ってる名曲。
9. Rainy Night In Georgia ( Memphis : 2013)
渋い、こんなしっとりした歌い方ができるBOZは最高!
10.The Night Of Van Gogh ( Other Roads : 1988)
さて後半は、AORで閉めました。ボビー・コールドウェルの曲、やはり、キラキラ輝いてます。
11. Full Of Fire ( A Fool To Care : 2015)
もう、100%のAORといえるアルバム、曲は作らない、彼だけど、AORっぽい曲、この違いがわかるでしょうか?
12. Slow Dancer ( Slow dancer: 1974)
ギターの音が聴こえてくると、デビッドさんは、「おっ!David T‐Walkerだ!」と叫びました。わかりますよね。彼の音色は。
13. Simone (Middle Man: 1980)
リスナーの方が、好きなこの曲、1980年のライブで聴いたもんね(^▽^)/
今回は、4年前に掲載したコラムを若干、修正して再掲載します。
洋楽ファンにはお馴染みの「サンフランシスコの顔役」ことボズ・スキャッグス(1944年6月8日生まれ)。都会的で洗練されたポップスの大御所である彼も、気がつけばなんと、80代の大台を迎え、いよいよ円熟味を増しています。
私が生ボズを初めて観たのは40数年前の10月。
私が20歳、彼が36歳の時でした。月日の経つのは本当に早いものです。
彼の音楽との出逢いは、そこからさらに4年前に遡ります。
当時、FM大阪の夕方に放送されていた田中正美さんの番組「ビート・オン・プラザ」で、アルバム『Silk Degrees』がオンエアされた瞬間でした。この番組は日本発売前の新譜を丸ごと1枚流してくれる、レコードを何枚も買えない高校生には本当にありがたい存在でした。
この『Silk Degrees』は、R&Bチャートで大ヒットした「LOWDOWN」は別格として、全体を通して洒落た白人のR&Bアルバムだと感じました。1976年当時はまだ「AOR」という言葉こそ定着していませんでしたが、この作品で生まれた蕾が次作『DOWN TWO THEN LEFT』で開花し、そして『MIDDLE MAN』で一気に満開となりました。
そんな最高潮の中で迎えた1980年の2度目の来日。
名古屋公演は10月10日(体育の日)と翌週16日の2回公演という、今思っても異例のスケジュールでした。もちろん私は2回とも足を運びました。
今回この記事を書くにあたり、当時のコンサートプログラムを広げてみると、中からレポート用紙に鉛筆書きされたセットリストが出てきました。よく見ると、同じ用紙に「リカード、人口増加→好況・拡大→穀物価格高騰→賃金上昇…」と経済学のメモが(笑)。おそらく大学の授業が終わってそのままコンサートへ駆けつけたのでしょう。
待ちに待った開演。薄暗いステージにメンバーがぞろぞろと入り、客席の拍手が沸き起こる。ギターのイントロが鳴り響くと同時に、スポットライトがステージ中央上段を照らしました。そこに立っていたのは、ギターを抱いた、少しダンディーな高田純二さんにそっくりな(失礼!)ボズ様。オープニングの「Breakdown Dead Ahead」で、自分も含め客席のボルテージが一気に上がった興奮は、今でもイントロを聴くたびに鮮明に脳裏に蘇ります。
最近、その時の武道館公演を収めたライブ音源や、当時テレビ放送されたダイジェスト映像を改めて振り返る機会がありましたが、人間の記憶のトリガーというのは本当にすごいものです。さらにYouTubeでは、当時のステージにデヴィッド・フォスターやジェイ・グレイドンが絡んだ奇跡的な演奏映像も見つかり、今観ても鳥肌が立ちます。
2025年10月に7年ぶりのニューアルバム『Detour』を発表したボズは、なんと現在(2026年5月〜6月)、ジャパン・ツアー「ONE FOR THE ROAD」の真っ最中。 80歳を超えてなお、あの洗練された極上のグルーヴを日本のステージで届けてくれています。あの青春の日のイントロに、私たちは今、再び酔いしれているのです。
今回が最後とは思いませんが、ここんところ、4月にリンゴ・スター、5月にポール・マッカートニー、そして、なんとローリングストーンズが7月にNew Albumをリリースするという、ボズより先輩のとんでもない爺さんたちがいるので、彼もまた新しいアルバムを引っ提げて、やってくることでしょう!
最後にDavid近藤さんの感想を
「Boz Scaggsはすごく音楽性の広いアーチストだということがよくわかりました。BluesやJazzを好きことが、音楽からもひしひしと感じました。Rainy Night In Geogia、オリジナルとは違ったムードで、Boz バージョンとても気に入りました!」
